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ゴッドハンドと呼ばれるアンプ復刻師の珍道中日記
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修理とは、、、、♪♪YAMAHA B-2の場合は♪♪ その2
あまりにも長くなりすぎましたので新しい記事にします。(T.T)

トランジスタの事も考えてみましょう。70年代に製造されたアンプのトランジスタを点検すると
劣化状況はかなりのバラツキがあります。このトランジスタはあ~だ、こ~だと一個ずつ解説して
いるといつまで経っても終わりませんので、やめておきます。

半導体の劣化はアンプ設計者と密接な関連があります。ディレーティング(設計余裕度)を
どのくらい取るかあるいは環境温度によって35年も経過すれば劣化状況は変わりますから
このトランジスタはダメと一概には言えません。

ポイントはローノイズで高増幅率のトランジスタの劣化が進んでいることです。メーカーでも
バラツキがあります。80年代になりますと製造技術が更に進んだと思われたいへん丈夫に
なったようです。皆さんが故障診断するときに、ひとつのアンプに色々なメーカーのトランジスタが
使用されていた場合優先順位は、ローノイズ高増幅率のトランジスタの劣化状況から点検します。
もしもTOSHIBA製のトランジスタがありましたらこれを最後に回します。TOSHIBA製のトランジスタが
故障しないということはありませんが、少なくともあの時代のTOSHIBA製の半導体は私の経験上最も
故障が少ないです。

誤解を招くといけませんので付け加えますが、私はYAMAHAやTOSHIBAから鯛焼きひとついただいたことも
ありませんし知り合いもおりません。私は清廉潔白な人間ではありません。YAMAHAには回路図頂戴!
TOSHIBA、HITACHI、NEC、SANKENなどには半導体ください、それがだめなら鯛焼きでも送ってくれと
メッセージを過去に送っておりますが未だに届いていないのであります。今、私の頭には
YAMAHAやTOSHIBAと刻印された鯛焼きが飛び跳ねております。

さて、今回70年代のアンプメーカー、半導体メーカーに新しいメッセージをお送りします。
「過去の素晴らしい製品を保存するのにご協力下さい。」
どうして日本のメーカーは過去の素晴らしい製品を保存するのに熱心ではないのでしょうか。
修理できませんと断られる例が続出しているそうです。基盤交換が修理の基本となって過去の
アンプの修理がコストに見合わなくなっているのでしょうか。

確かなことはメーカーが修理をしなくても製品は必ず残っていくのです。年月と共に必ず部品は
劣化していくのです。ユーザーはどうしたらよいのでしょうか。回路図や部品を供給しなくても
物は残る、、、、使いたいユーザーがいるということです。早く無くなってくれと思うのは
安全確保の意味からわからないではありませんが、残るのですから安全確保はどのように
考えているのでしょうか。

日本のメーカーでもハートが感じられるメーカーがあります。TEACという会社でこのブログでは
過去の機器の部品をアンケートにより再生産するメーカーとして紹介しました。今回の紹介は
災害救助法適用市町村で今回の災害が原因での故障につき5割引の修理を行うそうです。
TEACブランドのオーディオ製品、ESOTERICブランド製品、TASCAMブランド製品、取扱い輸入
オーディオ製品だそうですからオーディオに関するほとんど全てといってよいでしょう。

相変わらず補修部品の再生産アンケートを行っております。更にTEACの子会社で
修理専門のMTS株式会社という会社はTEAC製品のバージョンアップサービスや
(高音質部品に交換など)修理が不可能なオープンデッキなどの外観を残し、内部に
CDプレーヤー等を搭載することでオーディオ機器として蘇生させるサービスも
行っているそうです。また、オープンリールデッキの再生中古品の販売も行っているそうです。
私たちが望む姿と思います。

ゲッ、よく考えればライバルなのですね。私もYAMAHA B-1を真空管アンプとして
蘇生するサービスを近々始めようかと思っております。TEAC製品でしたら長く使用できるでしょう。
私もZ-5000というカセットデッキ3台を未だに現役稼働しております。日本には
たいへん珍しいユーザー思いの会社です。このような企業があることは少し救われたような
気持ちになります。TEAC及びMTSから鯛焼きが届きましたらすぐに報告致します。V(^0^)

MTSのような会社を各オーディオメーカーが持っていたら私はこの仕事をしていなかったでしょう。
私の場合もMTS同様出来るだけ長く使用できるようにすることが第一の目標なのです。
このことをご理解いただきたいと思います。電解コンデンサをオーディオ用に交換したら
音は良くなるでしょうが、そのことは副産物であり重要なのはそのアンプ自体が持っている
特徴的な劣化状況に合わせた作業なのです。

今回は記念セールということで本格的なレストア作業ではありません。あくまでも修理の
範疇です。一部の機器に関しては故障診断はとても早いという自信を持っています。
しかし、記念セールの第一台目は、、、、、(T.T)

故障というのは通常1~2カ所ですとたいへんありがたいです。出来れば1カ所ですと
このようなセールが成り立ちます。これから紹介するYAMAHA B-2は依頼者の方が
ご自分でレストアをなさろうとしたものですが、断念して私の方に依頼された物です。

見たら、あらら、このブログにあるように基盤まで洗浄してありたいへん綺麗で
確かにプロテクトは解除しないもののこれなら記念セールも成り立とうと思わせる
アンプでした。

電解コンデンサもオーディオ用に交換してありトランジスタも全てではありませんが
交換してあります。ラッキーヽ(^0^)ノ 私も運の尽きではなく、運もツキもやって
きたのかしらん。

電源を入れてみます。案の定、プロテクトは解除しません。んんん?メーター照明用
ランプも全て点灯しません。あれれ、電源LEDも点灯しません。2本の5Aヒューズは
断線しておりません。プロテクト回路やミューティング回路の2本のヒューズが断線しております。
「このヒューズ交換だけで治ってしまったら、、、これぞ修理の醍醐味だぁヽ(^0^)ノ 」
などと心の中でつぶやきながら、、、、そのようなことには絶対にならないのであります。

もう一度ヒューズを交換して、徐々に電圧を上げてみれば、、、、やはり切れました。
リレーが作動する12Vラインの電圧が出ていないのでありますからプロテクトやミューティング
回路、LED、メーター照明など全て動作しないのは当たり前であります。当然、リレーの
ON、OFFの音もしないのであります。

左右のアンプのオフセット電圧は狂っているもののプロテクト解除する電圧ですから
このアンプのプロテクト解除しない理由はプロテクト回路の異常ということになります。
あぁ、良かった。まぁこのくらいはいいだろう。これを修理すれば修理代金も胸を
張って貰えるというものだ。エッヘンV(^0^)

原因はダイオードの不良です。たいへん珍しい故障です。これはトーシロ(失礼!)では
解らない故障原因です。ちなみに半導体試験器三種類とテスターで測定しましたら
全て良品と判断されました。私独自の方法があります。NGと出ました。

ダイオード不良は珍しいケースで、この不良が解るまでトランジスタを抜き出して
全てチェックし、交換されていないトランジスタを交換しておきました。ふぅっ!
これでプロテクト回路の修理完了だな。リレーも動作するろう。

一般の電子回路、半導体に詳しくない方はこのダイオード不良は発見できないでしょう。
依頼者の方もここでギブアップです。私から見たら良く理解できます。しかし、
オークションでB-2を入手した場合、このダイオード不良は稀であるといえます。

トランジスタや電解コンデンサの不良でしたら交換すれば知らない間に治ってしまう
事も多いでしょう。従って皆さんが修理やレストアをする場合に「」が
必要なのです。どこか壊れているか、全く壊れていないか、、、、ウンとツキが
必要なのです。これで解りましたね。前の記事の⑤運という意味が。

この依頼者のIさんは運が悪かったのでありますが、しかし、このあとIさんの自爆行為が
私をたいへん苦しめるのであります。(T.T)

ここで皆さんに覚えて頂きたいことがあります。オフセット電圧です。DC漏れともいいます。
今までもこれからも頻繁に使用する言葉です。このブログを読んでいてよく解らないという方も
この言葉だけは覚えてくださいね。

オフセットとは相殺する、差し引きするというような意味です。トランジスタアンプの場合は
プラスとマイナスの電圧で動作します。例えばB-2の場合は電圧増幅部分が±85V、出力段に
±56V程度の電圧で動作します。プラス56Vとマイナス56Vを相殺しますと0Vになります。
アンプの出力は0Vでなければいけません。もしも0Vでないとスピーカーは無信号時に
前か後かに移動してしまいます。通常ならプラスでしたら前にマイナスの電圧が出ていたら
引っ込む形になります。スピーカーの動作の観点から無信号時にスピーカーにかかる
直流電圧は0Vが望ましい事になります。

正常動作ならほとんど0Vですが、アンプが故障しますと最大で電源電圧と同じくらいの電圧が
アンプ出力に出てくることがあります。B-2の場合ですと56Vが出ますとスピーカーインピーダンスが
8Ωの場合 56÷8=7A 7Aの電流が流れることになります。実際には8Ωのインピーダンススピーカーの
直流抵抗はもっと低いので7A以上流れます。仮に直流抵抗が7Ωとすると8Aになります。

その場合の電力は8A×8A×7Ωで448W加わりますからあっという間にボイスコイルが焼損する
事になります。これを防ぐためにアンプの出力に現れた直流電圧がある一定以上超えた場合に
スピーカーとアンプ出力をカットするものが付いております。これがプロテクト回路です。

アンプ出力に現れる電圧をオフセット電圧といいます。ではどの位でプロテクト回路が
働くかといいますと1Vとか1.5Vとか機器によって違います。1.5Vで壊れるスピーカーはないはずです。
2.83Vで1Wですからまず大丈夫でしょう。

直流1.5Vがどの位の音がするかはスピーカーのインピーダンスや能率によっても違います。
弱った乾電池をつないで見ると解ります。(ツィターにはつながないで下さい。)ボッと
音がするはずです。(スピーカーが壊れても一切責任は持ちませんぞ。)乾電池のプラスに
スピーカーのプラスをつなぐとコーンが前に出ますので極性チェックにも使えます。

オフセット電圧は0Vが望ましいのですが、これは変動しますので無理です。だいたい10mv位なら
OKでしょう。温度によって変化します。この事は時間によって変化することを意味します。
周囲の環境温度によっても違います。電源を入れるときに小さなボッという音がしても
OFFの時に音がしないアンプがあるでしょう。その逆もあります。

冬にボッという音がして夏には音が出ないアンプもあるでしょう。いつどのような周囲の温度で
調整したかによって変わります。冬にアンプがたいへん冷える環境に置いてあるアンプですと
温度変化が大きいですから音が出る可能性があります。特にA-2000やB-1は温度変化が大きいアンプです。

アンプの性能は歪みだけではありません。このような温度による変化、、温度ドリフトも
重要な項目なのです。アンプ設計者の重要な項目になっているはずです。これはどのような
部品を使用するかだけではなく、熱を発生するパーツからどのように配置するかによっても
違ってきます。

アンプをレストアする側からいえば温度ドリフトが大きい場合、何らかのパーツが劣化して
いるかもしれないと予測されます。メインアンプでいえば入力に近い部品ほどその影響が
大きいので注意しますが、調整用の半固定ボリュームも含めて全ての部品が影響すると
思ってください。

B-2の場合、左右の増幅基盤は同一です。初段部分は基盤の右側にあります。基盤は
正面から見て左右に並んでいます。つまり左チャンネルは初段がアンプ中央部分に
右チャンネルは初段部分がアンプの右端に来ます。右側の方がアンプの外気温つまり
カバーの温度に左右されやすいですし、温度が上がってきた場合は左の方が早く温度が上がります。
左右同一ではありません。A-2000シリーズも同様のタイプです。

CA-2000はアンプの中央に左右の基盤があり放熱器に囲まれていますので、左右の違いが
出にくいタイプです。電気的設計と構造的設計が上手であれば温度ドリフトや左右の差が
出にくいでしょう。

オフセット電圧が温度により変化するというのは(温度ドリフト)動作点が変化しているという
ことですからあまり大きい変化は望ましくありませんが、多少は変化することを頭に入れておいて
ください。

さて、もう一つミューティング回路というのがあります。これはプリアンプにも付いています。
アンプの電源をONにします。アンプは猛烈な勢いで出力がゼロボルトの正常動作に向かって
進んでいきます。瞬間的にオフセット電圧が0Vになれば良いのですが、若干の時間がかかります。
僅かな時間でも出力に直流電圧が出れば大きな音が出たりスピーカーを破損する可能性が
あります。

これを防ぐには正常動作するまでにリレーによりスピーカーとの間を切っておく必要が
あります。これがミューティング回路です。スイッチを入れてから5秒程度でカチンという
リレーの音がしますね。ミューティング回路が働くまでにオフセット電圧が大きければ
プロテクト回路が働いてリレーの音はしません。お~い、こっちはいいけどそっちは
どうだぁ~、、、、、、こっちはだめぇ~となればリレーは入らずこっちはいいけど
そちらはどう?、、、、、、OKOKOK!となればリレーはカチンというわけです。

というわけでプロテクト回路とミューティング回路は同一基盤にあることが多いのです。
皆さんのトランジスタアンプにも必ず付いていますね。ここで解ることはこの回路には
リレーが付いていることです。真空管アンプは出力トランスがあり直流を通しませんので
このような回路はありません。トランジスタアンプはこのリレーがくせ者です。

なぜかというとこのリレーの接点は点接触ですので、汚れてくると歪みが増えるだけでなく
ダンピングファクターも変化し、全く違う音になります。音を語る資格は綺麗なリレー
接点をお持ちの方です。ダンピングファクターはスピーカー側から見たアンプの内部
インピーダンスです。スピーカーインピーダンス8Ωでダンピングファクタ100というのは
8÷100で0.08Ωです。ここでリレー接点の接触抵抗が1Ωありますとダンピングファクターは
8÷1.08で8程度に変化してしまいます。

アンプスピーカー端子とケーブル、ケーブルとスピーカーの端子と接触抵抗もありますから
ダンピングファクターは更に低いものとなります。アンプのダンピングファクターは大きい
方がよいと誤解している人がいます。これはスピーカによって最適な数値があると考えて
下さい。JBLの古いD-130などは10以下に最適点がありますが、通常は10以上あれば
良いとなっております。

10というのは8Ωのスピーカーで0.8Ωです。長い間メンテナンスしていないアンプでは
10Ωはざらにあり数十Ω、数百Ω、場合によっては音が途切れるだけでなく、刻々と
接触抵抗が変化するものがあります。このようなものでも皆さん「音は正常に
出ています。」と思っているのです。歪率は数十倍のものは当たり前に存在します。
このようなものはもはやオーディオ機器ではありません。

プリアンプのリレーは完全密閉式のものが多いですが、中にはそうでないものも
あります。この場合は全滅と思ってください。CA-2000にも出力リレーの他に
イコライザーとフラットアンプにミューティング回路と連動したリレーがあります。
ガラス管の中に接点が封入されたリードリレーというタイプですが、これも
古すぎてダメになるものもあります。

さぁ、これでプロテクト回路とミューティング回路が理解できましたね。足し算、引き算
かけ算、割り算だけで説明するのは難しいです。でもこのミューティング回路、プロテクト回路、
リレーの接点については重要ですので必ず覚えると良いでしょう。

IさんのB-2の場合はこのミューティング回路とプロテクト回路を動作させる電源が壊れて
いたわけですので、当然リレーにも電気が送られませんのでカチンという音がしなかったのです。
オフセット電圧は50mv程度でしたからやや大きい数値ですが問題はありませんでした。
ですからこの電源の故障を修理すればリレーの音がカチンとするはずです。ところが
音沙汰ナシであります。(T.T)  どうです?このようにミューティングとプロテクト、
オフセットという言葉が頻繁に出てくるでしょう。V(^0^)



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